プログラミング教育の目的とは
今回は、プログラミング教育の目的についてお話します。
2016年4月、これからさらに激化する世界との競争における戦略として、2020年を目標に小学校でプログラミング教育が必修化されることが決まりました。
その当時、多くの人が「プログラミング」という言葉でイメージしたのは、パソコンの画面にうつしだされる難解な文字列と向き合う職業像。「なぜそんな限られた職業にしか使えない技術を、国をあげて全国の小学生に学ばせる必要があるのか」という反応が大半でした。
しかしここで提案された「プログラミング教育」とは、プログラマーやシステムエンジニアから想像される技術を直接的に身につけることとは少しちがっていました。「子どもたち全員が身につける必要がある」とされたのは、コンピューターを動かすためのプログラムを書く能力ではなく、プログラミングを学ぶ過程で得られる能力。
発表後に放送されたテレビ番組や、その後増えてきたプログラミング関連の習いごとやイベントを通じて、今ではたくさんの人が「プログラミング教育」という言葉を知るようになりました。けれど一方で多くの人はまだ、「プログラミング教育が子どもの能力を伸ばすらしい」という漠然としたイメージしか持っていません。
国やいち早く日本の未来を予見する人たちは、子どもたちがプログラミングを学ぶことで、どのような生き方ができるようになると考えているのでしょうか。
次回は、プログラミングが注目されることになった背景と、プログラミングを学ぶことによって身につけられる能力についてお話しします。